妹が知り合いの獣医さんから入手してくれた猫グッズの情報を元に買い物をし、 マルが部屋で快適に過ごせる準備を完璧にした。 そしていよいよ空のキャリーケースを携えて いざペットショップへ! 行きは空のキャリーケースを見下ろしながら 『帰りはこの中にマルがいるのか~!!!』と一人興奮して歩いていた。 (興奮しすぎてピタパを落として紛失した。) 私は店内に入ると マルを見せてくれた時のパートのおばちゃんを見つけて声をかけた。 おばちゃんはすぐにマルを連れてきてくれて キャリーケースに入れてくれた。 キャリーケース初体験のマルはとても不思議そうにこちらを見上げている。 さっさとお会計を済ませて店からダッシュして出て行きたいくらいだった。 マルが手に入れば一秒たりとも、あの店にはいたくない。 お会計はパートのおばちゃんではなく、 オーナーの長男が担当した。 オーナーの長男は他の猫用品は揃っているのかと、とにかくしつこく聞いてきた。 マルの事を気遣ってではなく、 一つでも足りないものがあれば買わせようとしている魂胆は見え見えだ。 あの店の家族は全員目にも歯の一本一本にも¥マークが刻まれているんではないだろうか。 最後には餌はどこのメーカーか、まで聞いてきた。 私は獣医師が扱っているヒルズやアイムスが良いと妹に教えてもらっていたので、 他にもっと安い餌はあったが迷わずそちらの子猫用を選んで用意していたので 『ヒルズです。妹が動物関係の仕事をしているので、その他のものも完璧です。』と言ってやった。 そこのペットショップではヒルズよりも安い餌を与えていたので 私の回答にはぐうの音も出なかった。 さらにペット保険を勧めてきた。 ペット保険は保険のきかないペットにはとても役立つシステムなのは承知しているし 病気の多いスコには必要だろうとは思ってはいたが 奴等と癒着している会社にだけは絶対入らないぞと思ったので しつこく説明してくる長男に 『今決めなくてはいけませんか?少し考えてから決めます。』と言った。 そんなこんなで随分長い間(長く感じただけかも?)長男につかまっていると 二階から親父(オーナー)が降りてきた。 今度は親父が毎週~曜日にワクチン接種を店に獣医に来てもらってやっているから来いと言った。 8か月にもなるまで、ワクチン一回も打ってねぇのかよ、と内心イラついたが 適当に返事をした。 そこへパートのおばちゃんが餌を一回分袋にいれてサービスしてくれようとやってきたら 目の色を変えて親父は怒った。 8か月も面倒を見た猫にこれ以上サービスしたら赤字だとまで言った。 私はお前ん所の安い餌なんていらねぇよ、と思ったが無言を貫いた。(→餌が変わると食べなくなる子もいるので、マルがヒルズを食べなかったらその餌を買わなくてはならなかったのだが・・・) ここで喧嘩して万が一マルを渡してもらえなかったら困る!と思って我慢した。 育児書に、新しいトイレに慣れない子もいるので 自分の匂いのついた砂をもらってきて混ぜると良い、と書いてあったので、その店のトイレに使われている新聞を分けてくれとお願いしたら、今朝掃除したから無いと言われた。 え?今日引き取りに来るって知ってて?何匹子供達送り出してきたんだよ!!! (良心的なお店、ブリーダーさんならもちろん用意してくれたろうに。) 猫用品の事とかワクチンの事とか自分達の利益になりそうな事はうるせえくせに 結局動物達が新しい家に馴染むかどうかなんて知ったこっちゃないんだな、と分かりきった事を 分かりきっているのに頭の中で確認してしまい、うんざりした。 そうそう、胡散臭いお店やブリーダーは 垂れ耳×垂れ耳という交配を隠ぺいするために スコの血統書を出さない。 ちなみにマルは もちろん血統書がない。 どんな両親から生まれたのか少し知りたかったが 血統書が欲しかったわけではないので マルがいてくれるのなら そんなものはどうでも良い。 でも、あの店のいい加減さは広めたい。 マルがうちに来た後にあの店では さらにスコの販売が増えて 『血統書無し』の文字を目にした。 ああもう、本当に、やりきれない。 そしてようやく噴火を我慢して 親父と長男の顔も見ずに お会計をすませると 逃げるように店から出たのである。 唯一良い人そうだったパートのおばちゃんは マルとのお別れが本当に寂しそうだった。 私は一度も振り返らずにずんずん歩いた。 ずんずんずんずん歩いた。 ようやく全てから解放されたというのに そう簡単には家にたどり着けなかったのである。 つづく・・・・・・ ランキングにご協力ください↓
by kohmebuki
| 2011-12-12 20:55
| マル
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